高齢者施設での勉強会

昨日私が訪問診療でお邪魔している高齢者施設で勉強会をさせていただきました。

もともと看取りの対応はしていない施設でしたが、がん末期の方本人の希望もあり、スタッフの熱意もあり、そこで看取りをしたい、という背景がありました。でもスタッフは熱意はあるものの、なんだかこわい、どうしたらいいかわからない、そういった声があるとのことが施設長とのお話の中であり、そのような場を設けさせていただくこととなりました。
開院後私は個人のご自宅への訪問診療がメインとなりますが、ここの施設長はとても熱心な方で、開院後も引き続き伺わせていただく唯一の高齢者施設となります。

現在新型コロナウイルス感染が大きな問題となっている中でこのような会を開くかはご意見のあるところかもしれませんが、現実に予後1ヶ月前後だろう方がおり、その方が最期までそこで過ごすために、満足のいく人生の締めくくりをするために必要な時間だったと考えています。もちろん感染対策は十分に取った上での開催といたしました。
現状病院に入院した場合、面会制限なども厳しく、ご家族としても入院がよい選択肢がどうかは十分検討いただく必要があると思います。

医療(クリニック)と介護(施設)というのは時としてぶつかることがあります。
ただ本来は患者さん=入居者さんがハッピーに暮らせるようにサポートするというところで同じ方向を向く必要があるはずですよね。
わりとよく耳にする話として、医療側からは、なんでこれを報告してこないんだ、こんなことでいちいち電話してくるな、こんなところでは医療なんてできない、などの意見が、施設側からは、あの医者は何もしてくれない、話を聞いてくれない、などの意見が出たりします。

前述の通り、その人がハッピーに過ごすには何が最善か考えればお互いおのずとそういったことは減ると思うのですが、そのためにはお互いの頭の中を理解する必要があると思います。
講演・勉強会をするときに心がけているのは、「いい話が聞けたね」「おもしろかったね」で終わらせないことです。必ず、「話を聞いた直後からの行動の変化」を期待してお話をさせてもらっています。それが叶わないときは自分の伝え方の問題だったろうと反省し次へ活かします。

ということで今回の勉強会では、医療側からの「がんとは何か」「がんの軌道」「がんの終末期に何ができるか」というお話と、医療と施設の連携のための「伝え方のコツ」をお話させていただきました。
伝え方については、「結論から伝えること」が話をスムーズにすることにとても重要だと思っています。「話にタイトルをつけてから電話しよう」と当院スタッフにもよく言います。「肺炎疑いで入院のご相談です」「往診依頼です」「救急搬送の相談です」「報告のみです」など、それが頭にあるだけで、聞く側の話の入り方、その後の対応のスピード感、はだいぶ変わってくるのではないでしょうか。1週間前からのストーリーののち、最終的に救急搬送の相談と言われても、やっぱりそれは急ぎなんだから最初に伝えようよ、と。

今回は具体的にある患者さんを思い浮かべながら話し、また聞いていただいた話ですが、その患者さんの人生が少しでも素敵になる一助になったら最高ですね。
ビデオも撮っていただいたようなので、もしご興味ある方はご連絡ください。
当院でも参加できなかったスタッフもいるので今度鑑賞会します。

▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩

札幌市で訪問診療・在宅医療を行うクリニック。

内科、血液内科、がん診療、緩和ケア。

「HOME CARE CLINIC N-CONCEPT」

URL: https://homecareclinic-nconcept.amebaownd.com/

Instagram: @homecareclinic_nconcept

facebook: @homecareclinic.nconcept

〒003-0803 札幌市白石区菊水3条1丁目2-14-B402

TEL 080-8049-0177 / FAX 050-3588-2920

E-mail nconcept.sapporo@gmail.com

▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩


N-CONCEPT

SINCE 2020 札幌市で在宅診療を行うクリニックです。 おうちで過ごしたい、をサポートします。 TEL 080-8049-0177 (代表) FAX 050-3588-2920 e-mail nconcept.sapporo@gmail.com 〒003-0804 札幌市白石区菊水4条1丁目6-13

0コメント

  • 1000 / 1000