【輸血とは】

輸血とは

病気や薬の影響などで十分に血液をつくることができなったり、病気や事故、手術などで出血したときに、取っておいた自分の血液や献血でいただいた血液で不足した血液を補うことを輸血といいます。

詳しくは日本赤十字社のホームページをご覧ください。

赤血球

呼吸することで肺に取り込まれた酸素を全身の細胞に運搬する役割があります。

不足すると、息切れ、動悸、頭痛、めまい、倦怠感などの症状が出ることがあります。また、心臓への負担が増え、心不全の引き金になることがあります。

血小板

出血の際に血管の傷をふさぐ役割があります。

不足すると、鼻血が出やすい、ぶつけてもいないのにあざができる、重篤なものとしては脳出血や消化管出血(胃や腸からの出血)などを引き起こすことがあります。


【在宅輸血とは】

在宅輸血とは 

在宅輸血とは、ご自宅で輸血を行う治療法のことです。在宅輸血は安全性の観点から否定的な意見もあり、日本ではこれまで積極的には行われてきませんでした。一方、欧米では高齢化が進む都市部において、通院困難などの理由から在宅輸血が普及し、社会的に受け入れられています。日本でも東京などでは在宅輸血のニーズの高まりもあり在宅輸血件数が増加傾向にあります。

血液在宅ねっとのホームページに、在宅輸血の動画が公開されています。


病院での輸血と在宅輸血の違い

病院で行う輸血と、ご自宅で行う輸血で、実施までの手順や内容はまったく同じです。ご自宅だから輸血の副作用や合併症が増えるということはありません。


メリット

メリットとしては、その名の通り、「ご自宅で輸血できること」です。固形がん・血液がんで自宅療養している方では、貧血症状(息切れ、動悸、頭痛、めまい、倦怠感など)の症状緩和として輸血が有用です。また、血小板が少ない方では輸血により、脳出血や消化管出血(胃や腸からの出血)などの命に関わる出血の危険性を減らすことができます。定期的に輸血のために通院されている方においては、通院負担を減らせるということも利点になります。


デメリット 

デメリットとしては、輸血に伴う重大な副作用、合併症(頻度は非常に低いです)が起こった際の検査、治療の対応に時間差ができるという点です。病院ではすぐにレントゲンやCT、点滴など実施可能ですが、在宅輸血においては我々がご自宅へ伺うまでの時間、病院へ移動する時間などどうしても対応に時間がかかります。当院では、これまでに輸血をしたことがあり、重大な副作用を起こしたことがない方を主な対象として、十分な予防法をとった上で輸血を施行しております。また、万が一のときにスムーズに病院へ引き継げるよう、事前に連携をとった上で輸血を行ってまいります。

参考として代表的な輸血副作用の頻度と起こりやすい時間帯を以下に示します。